2011年 08月 25日
中国古陶磁プチおたくへの道 |

以前上海を訪れた際、建物の名前はもう忘れたが、租界時代を髣髴とさせる外灘(わいたん)の瀟洒な石造りのビルの一階、その奥まった隅に僅かだが本が並べられていて、そこで夫は外灘の西洋建築を中心とした歴史写真集を、私はこの素晴らしくカラフルな本を買った。

外灘はヨーロッパ風の堂々たるビル群が黄浦江(こうほこう)という大きな川沿いに連なり、上海がかつて東アジアの貿易や金融の拠点として多くの外国人で賑わっていた頃の、エキゾチックで風格ある佇まいを残している。
これは夫の選んだ上海百年掠影という写真集より、1940年代の外灘
このビル群は今も変わらない
その頃はまだ中国が爆発的経済成長期に入った直後のことで、外灘も観光地としての整備は、さほどなされていなかったと思う。
屋内は照明が十分ではなく、奥に行くほど薄暗く陰気で、手に取ったこの本がいやに明るく輝いて見えた。
これは夫の選んだ上海百年掠影という写真集より、1940年代の外灘
このビル群は今も変わらない
その頃はまだ中国が爆発的経済成長期に入った直後のことで、外灘も観光地としての整備は、さほどなされていなかったと思う。
屋内は照明が十分ではなく、奥に行くほど薄暗く陰気で、手に取ったこの本がいやに明るく輝いて見えた。
日本からは想像できないが、その頃私の居住していた街には本屋と呼べるものが国営の新華書店一軒しかなく、しかも品揃えはろくでもない本ばかり、こんな気の利いた写真集など見たこともなかった。
なのでとても珍しかったし、お土産として最適ではなかろうかと、私たちはこの二冊を買い求めたのだった。
さてこれを眺めることしばし
すると上海の友諠商店や北京の一部大手ホテルに、この本に掲載されているいわゆる骨董品とされる皿や瓶と全く同じものが陳列されているのに気が付いた、もちろん売り物として。
どういうこと?国外持ち出し禁止ではなかったの?
今となっては知る由もないが、あれはもしかしたら明・清のものを近代に写した模倣品だったのか?
お値段も日本で買うブランド洋食器程度のものだった。
しかしそんなものが堂々と国営の商店で販売されているとは、いやはや、中国ってやっぱり何というか(^^;・・
それを模倣品としてきちんと説明して売っていたのか、それとも骨董として売っていたのか、そして今でもあれは友諠商店のウインドを飾っているのか?ちょっと興味のあるところではある。
ちなみに現在日本で販売されている明・清の復刻版もあるようだ、参考までに。
ということで前置きが大変長くなってしまったが、今回は正真正銘の本物が見れるとあって喜び勇んで出かけてきたのがこちら。

出光美術館はその9F


つづく
by camelstraycat
| 2011-08-25 21:36
| art
|
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