2010年 11月 08日
本で読む着物 |

興味のある本を見つけては、まず図書館で借りて読む。そしてこれは手元に置いておきたいと思ったら買うようにしている、それもできれば古本で。
少し前に買ったのは、立松和平さんの「きもの紀行」と、白洲正子さんの「日本のたくみ」、「衣装美」。
白洲さんの本は古いので、取り上げられている作家さんというか、職人さんも物故者がほとんど。現役なのは志村ふくみさん、菊池洋守さんくらいかな。
立松さんのはそれに比べれば新しい方が多いけど、それでも大御所と呼ばれている人ばかり、やはり亡くなられた方も多い。その立松さんの「きもの紀行」に、型染絵の作家として紹介されているのが「添田淑子」さんだ。

あ、偶然というのは正確ではなくて、以前着物友から聞いてはいたのだけれど、その時はすっかり忘れていたのだった。
それを休憩に入ったイノダコーヒで知った。
会場がイノダコーヒの二階だったのだ。
(イノダさんは、コーヒーといわずに
コーヒというそうです)
さっそくそのコーヒを飲んだ後、二階に足を運んでみると、雑誌やきもの屋さんのサイトでしか見た事のない添田さんの作品がずらっと・・
(↑の画像は不鮮明なので、詳しくはこちらで。下の数字をクリックすると他にも見れます)
しばらく見入っていると、入り口の辺りにどこかで見たことのあるおばあちゃんが・・(失礼)
添田さんだった。
ニコニコしながら、ちょっとはにかんで立ってらっしゃる
。ニューヨークやパリでも個展を開き、フランス美術批評家賞も受賞してらっしゃる方なのに。
名のある染職家の方たちにお会いして共通して思うのは、謙虚であるということ。
ちっとも大家然としていない
控えめな物腰で、時に「わざわざお越しくださって悪いわねぇ」といわんばかりの態度だ。
自然と向き合う仕事を黙々とやってきた人というのはこうなのだろうか
ともかくご本人に会えて感激
愛好家にしかわからないのだけれど、そして値段のことを言うのもナンだけど、添田さんの作品は高い。
主催者も、日本の型染めで一番高い人と言っていた。
(帯で、小型の中古車一台分くらいのお値段がする)
しかしこの日は展示会の初日にもかかわらず、もうかなりの数が売れていて、会場が随分寂しくなってしまったそうだ
す、すごい・・
入り口でオープンを待っていて、始まるとすぐに購入を決める人もいらっしゃるとか
やっぱりファンの方が多いんだな
そしてご本人からお話を少し伺った。
私が「立松さんの御本で拝見しました」というと、立松さんより写真の大倉瞬二さんの方が凄いとおっしゃる。
「入ってきていきなり、挨拶も何もなしでパパッと写真をとられたんですよ、瞬二というくらいですからね、瞬撮(笑) その写真がねぇ、反物が重なってる写真なんかいいですよ、構図がね・・さすがと思いました。人間的にも素晴らしい人ですよ」とおっしゃる。「まあ、帰ってからいっぺん、見てみてください」

展示会の主催者に聞くと、添田さんの型染めは、染めてない白い部分、その配分というか、白の抜き加減が微妙で味わいがあるのだとか。
なるほど~
そして添田さんとは全く格の違う私のコーディネイトは
着物は義母の亀甲絣の結城
これ大好き
帯は着物を着始めの頃、白大島に合わせるのが欲しくて買った琉球の型染め
紅型というのとは又違うような
作家さんも不明だ
白大島にと思ったが、白と赤紫ではコントラストが強すぎるような気がして、結局ほとんど使わずじまいになっていた。
この赤と藍の亀甲がすりの結城は、光の当たり具合で、たて枠の縞がハッキリ見えたり、全体が赤っぽい焦げ茶というか小豆色に見えたりして、それが味わい深く、また使い勝手もよい。
昔のものはよいなと最近思うようになった。

by camelstraycat
| 2010-11-08 10:27
| きもの
|
Comments(7)
着物と帯の写真アップありがとうございます。結城に琉球の型染め、しかも紫という組み合わせが、なかなか普通は思いつかないけど、いいですね。結城がとてもモダンになりますね。
お茶しに入った同じ建物で、丁度着物の展示会に当たるなんてラッキー!いいものを直に見ると、買えなくても満足感はありますからね。
着物関連本、わたしも集めてるんですが、基本的に買うのは文庫本なので、立松さんのと白洲さんの『衣匠美』は未読です。(『日本の匠』『きもの美』は持ってますが、『衣匠美』のことは知りませんでした) 青木玉さんの本も好き。
着物関連の本は、写真も楽しみですが、やはり文章の力が大事で、若手の人が書いた本には深みが足りなくて、読みでがないものが多いです。また、お勧めの本、ご紹介くださいね。
お茶しに入った同じ建物で、丁度着物の展示会に当たるなんてラッキー!いいものを直に見ると、買えなくても満足感はありますからね。
着物関連本、わたしも集めてるんですが、基本的に買うのは文庫本なので、立松さんのと白洲さんの『衣匠美』は未読です。(『日本の匠』『きもの美』は持ってますが、『衣匠美』のことは知りませんでした) 青木玉さんの本も好き。
着物関連の本は、写真も楽しみですが、やはり文章の力が大事で、若手の人が書いた本には深みが足りなくて、読みでがないものが多いです。また、お勧めの本、ご紹介くださいね。
レイネさん♪
紫っぽい組み合わせは、偶然なんです(笑)着物って、洋服と違って頭の中で組み合わせを考えていても、実際に合わせると??だったり、こんな組み合わせありえない・・と思っていても、試しにやってみたら、案外いけたり。
後は帯締めと帯揚げによって力わざでまとめちゃうって事もできますよね(笑)
着物本ですが、白洲さんのは同じ職人さんというか、作家さんが各本で重複していて、田島隆夫さんとか古沢万千子さんなどはあちこちに書かれています。結局その方たちが白洲さんにとって重要な作家さんだったという事になるのでしょうか。その作品を実際にカラー図版で見れるのが、衣裳美です。
紫っぽい組み合わせは、偶然なんです(笑)着物って、洋服と違って頭の中で組み合わせを考えていても、実際に合わせると??だったり、こんな組み合わせありえない・・と思っていても、試しにやってみたら、案外いけたり。
後は帯締めと帯揚げによって力わざでまとめちゃうって事もできますよね(笑)
着物本ですが、白洲さんのは同じ職人さんというか、作家さんが各本で重複していて、田島隆夫さんとか古沢万千子さんなどはあちこちに書かれています。結局その方たちが白洲さんにとって重要な作家さんだったという事になるのでしょうか。その作品を実際にカラー図版で見れるのが、衣裳美です。
*長々とスミマセンが
「きもの美」アマゾンでちょっと見ましたが、これも面白そうですね。古本があるので買いたいです。ああ、青木玉さん、早速図書館で借りてみますね。多分すぐに買うと思うけど(笑)
立松さんのは、ぶつぶつと独り言を言ってるような文体が好きで、白洲さんのような着物に対してハッキリした審美眼や価値の基準を持ってる人ではないので、内容はどちらかというと客観的なレポです。でも人や土地に密着しているレポはキレイ事になりがちな女性雑誌の連載という枠を超えてます。
あと、澤地久恵さんの「琉球布紀行」もいいですよ。これは琉球モノに特化していますが、こちらはなんと言っても土地の歴史抜きでは語れない染織なので、どうしても重いものを見つめざるを得ないですが。文庫本もあります。あ、もうご存知かもしれませんね(笑)
「きもの美」アマゾンでちょっと見ましたが、これも面白そうですね。古本があるので買いたいです。ああ、青木玉さん、早速図書館で借りてみますね。多分すぐに買うと思うけど(笑)
立松さんのは、ぶつぶつと独り言を言ってるような文体が好きで、白洲さんのような着物に対してハッキリした審美眼や価値の基準を持ってる人ではないので、内容はどちらかというと客観的なレポです。でも人や土地に密着しているレポはキレイ事になりがちな女性雑誌の連載という枠を超えてます。
あと、澤地久恵さんの「琉球布紀行」もいいですよ。これは琉球モノに特化していますが、こちらはなんと言っても土地の歴史抜きでは語れない染織なので、どうしても重いものを見つめざるを得ないですが。文庫本もあります。あ、もうご存知かもしれませんね(笑)

わぁ、ステキな帯ですね。
ワタシ好みの更紗柄だわ〜♪
ぜひ出番を増やして上げて下さいな (^-^)b
ワタシ好みの更紗柄だわ〜♪
ぜひ出番を増やして上げて下さいな (^-^)b
やっぴーさん♪
これ、更紗柄なのか何なのか・・よくわかりません。
花は菊にも見えるし、でも蝶々も飛んでるし、季節がいつなのかも謎(笑)
まあ、今は「菊」ということで締めたいと思います。
春は蝶々が飛んでるから「春柄」ということで(笑)
これ、更紗柄なのか何なのか・・よくわかりません。
花は菊にも見えるし、でも蝶々も飛んでるし、季節がいつなのかも謎(笑)
まあ、今は「菊」ということで締めたいと思います。
春は蝶々が飛んでるから「春柄」ということで(笑)

こんにちは! 添田敏子さんにお会いになったのですねー、いいなぁ。大胆かつ繊細、そして総柄でも色彩が落ち着いていて着やすそうですよね。といっても私にはとても手が出ませんが…。
着物本、私は最近、池田重子さんの本を読みました。本というよりは写真集に近いですが…『着物のおしゃれ 夏』だったかな。アンティークですがあまり古さを感じさせず、小粋で素敵でした~。
着物本、私は最近、池田重子さんの本を読みました。本というよりは写真集に近いですが…『着物のおしゃれ 夏』だったかな。アンティークですがあまり古さを感じさせず、小粋で素敵でした~。
絵美さん♪
はい、振り返ったらご本人がいらっしゃってびっくりしました。
う~ん、お値段に関しては同感です。帯であれでは、着尺では・・とつい計算してしまいますね(^^;
池田重子さんのコレクションは、私も少し拝見したことあるだけですが、アンティークだけど今の感覚にも違和感なくコーディネイトされいて素敵ですよね。私は帯留コレクションに興味があります~。
あ、それから、澤地久枝さんの本は、絵美さんが紹介されていたので読んでみたんですよ。とっても良かったです。
はい、振り返ったらご本人がいらっしゃってびっくりしました。
う~ん、お値段に関しては同感です。帯であれでは、着尺では・・とつい計算してしまいますね(^^;
池田重子さんのコレクションは、私も少し拝見したことあるだけですが、アンティークだけど今の感覚にも違和感なくコーディネイトされいて素敵ですよね。私は帯留コレクションに興味があります~。
あ、それから、澤地久枝さんの本は、絵美さんが紹介されていたので読んでみたんですよ。とっても良かったです。